「グラコロの中にG!?」マクドナルドのゴキブリ混入事件から学ぶ防虫対策について
- モトヒロ
- 2023年12月7日
- 読了時間: 4分
更新日:2024年1月14日

1. 今回の事件の経緯
3. さいごに
1.今回の事件の経緯
マクドナルドは、日本で最も人気のあるファストフードチェーンの一つですが、令和5年
11月末に、ゴキブリが混入していたとして、S N S上で話題となっています。この事件は、京都市内のある店舗で、期間限定商品のグラコロにゴキブリが入っていたという客のS N Sへの投稿から発覚しました。
被害者のXの投稿 「1/4ぐらい食べた時に、中から小さなゴキブリが出てきて、まだ生きていて、逃げていきました。その後壁を走っているのを見つけ、その後ティッシュで殺しました」 投稿者はその場で店舗に苦情の申し出をすることなく帰宅した後に、お客様相談室に連絡したようです。 投稿者は、すぐにその場で店舗に申し出なかった理由について、 「グラコロを食べるのを楽しみにしていて、その中からゴキブリが出てきたことに、萎えてしまって、言ってもこの気持ちは何も治ることはないとおもい、言いませんでした」
と述べているようです。
日本マクドナルドの広報担当は上記の申し出があったことは事実と認めています。
別の店舗ですが、今年の3月にもハンバーガーにゴキブリが混入する事件が発生しており、日本マクドナルドも店舗で混入した可能性について概ね認める見解を示しています。

2. 今回の事件をきっかけに食品等取扱事業者が見直すべきこと
投稿自体の真偽は専門家に任せ、私のほうでは、元保健所職員の視点で、同様のケースが発生した場合の食品衛生上の問題点を考えてみました。
まず一つは、ゴキブリが生きていたという問題点から考えてみましょう。
今回のケースですと、加熱品と非加熱品で構成された加工食品なので、非加熱品の方に何か問題があったのではと仮定します。(ソースはポンプ式だと思うので、今回の事例では考える必要はないかと思われます。)非加熱品の一つである生野菜や開封済みのバンズの保管状態がどうなっていたかは気になるところですね。蓋や封を開けたら、すぐに閉める等の徹底は必要ですね。もちろん、提供前の商品チェックも忘れずに。(流れ作業の一つになっていないか等)
次は、防虫対策について考えてみましょう。
お客さまの出入りや取引先の出入り等が頻繁に行われると、より防虫・防鼠対策の必要性が高くなります。たいてい、委託業者が入って防虫・防鼠対策を行っているかと思われますが、定期的な業者への確認、もしくは業者選定の見直しも必要かもしれません。
昭和二十三年厚生省令第二十三号
食品衛生法施行規則
別表第十九(第六十六条の七関係)
一 施設は、屋外からの汚染を防止し、衛生的な作業を継続的に実施するために必要な構造又は設備、機械器具の配置及び食品又は添加物を取り扱う量に応じた十分な広さを有すること。
二 食品又は添加物、容器包装、機械器具その他食品又は添加物に接触するおそれのあるもの(以下「食品等」という。)への汚染を考慮し、公衆衛生上の危害の発生を防止するため、作業区分に応じ、間仕切り等により必要な区画がされ、工程を踏まえて施設設備が適切に配置され、又は空気の流れを管理する設備が設置されていること。ただし、作業における食品等又は従業者の経路の設定、同一区画を異なる作業で交替に使用する場合の適切な洗浄消毒の実施等により、必要な衛生管理措置が講じられている場合はこの限りではない。なお、住居その他食品等を取り扱うことを目的としない室又は場所が同一の建物にある場合、それらと区画されていること。
三 施設の構造及び設備
イ じん埃、廃水及び廃棄物による汚染を防止できる構造又は設備並びにねずみ及び昆虫の侵入を防止できる設備を有すること。
食品衛生法施工規則に基づいて、施設の衛生管理の徹底は必須です。

3.さいごに
以上が、食品衛生の観点から考えた、異物混入対策についてでした。
虫やネズミによる2次汚染によって、食中毒の可能性がありますので防虫・防鼠対策は飲食業界では必須の対応かと思います。今回の事例を参考に、日ごろの衛生管理を見直していただけると幸いです。

Comments