【知らないと怖い⁉】「大麻グミ」の危険性と対策
- モトヒロ
- 2023年12月5日
- 読了時間: 5分
更新日:2024年1月14日

こんにちは、薬剤師のモトヒロです。
今日は最近ニュースで問題視された大麻グミの話題についてお話ししたいと思います。
この記事を読むことで脱法ドラッグについての理解が深まります。正しい知識を身につけ、自分の身は自分で守れるようになりましょう。
大麻グミとは、大麻の違法成分と似た化学物質を含んだグミキャンディのことです。
このグミを食べると、幻覚や記憶障害などの健康被害が起こる可能性があります。合法ハーブや脱法ハーブと呼ばれているのに非常に近い存在です。最近、全国で大麻グミを食べた人が病院に運ばれる事件が多発しています。厚生労働省は、グミに含まれる化学物質を規制薬物に指定しましたが、類似の化学物質が次々と出現する問題に対応するのは難しいと言われています。では、大麻グミについてもっと詳しく見ていきましょう。

まず、今回話題になった大麻グミに含まれる化学物質とは何でしょうか。
その名前はHHCHといって、ヘキサヒドロカンナビヘキソールという合成化合物です。このHHCHは、大麻の違法成分であるTHCと化学構造が似ています。THCは、大麻を吸うと脳に作用して、幻覚や高揚感などを引き起こします。しかし、THCには副作用もあります。例えば、吐き気や体の震え、頭痛、めまい、記憶障害、精神障害などです。HHCHにもTHCと同様の作用や副作用があると考えられていますが、まだ十分に研究されていません。12月2日以前、HHCHは規制薬物に指定されていなかったため、合法的に販売されていました 。

次に、今回の大麻グミはどこで作られて、どこで売られているのでしょうか。
大麻グミを製造・販売しているのは、大阪市の食品会社WWEというところです。この会社は、4月から自社工場でグミを作り始めました。グミはコーラ味で、一般的なグミと変わりません。しかし、商品の袋には「HHCH」と書かれています。このグミは、国内に約50か所ある卸先の店やインターネットで販売されています。販売価格は1袋(10個入り)で7000円です。高いですね。このグミを買っているのは、大麻に含まれる合法成分CBDを含む電子たばこ用リキッドなどを好む人たちです。CBDは、THCとは違って幻覚作用はありませんが、リラックス効果があると言われています。しかし、CBDも製造や抽出工程の安定性については少し不安な要素があるのではないかと思われます。

次に、大麻グミが流行った理由について考察しましょう。
一つは、大麻グミに含まれる化学物質が法規制の対象外であったため、合法的に販売されていたことです。大麻グミを製造・販売していた会社の社長は、「違法ではない」と主張していました。
大麻グミは、店舗やインターネットで簡単に手に入れることができました。
大麻に興味がある人や、リラックス効果を求める人が購入していたと考えられます。
もう一つは、大麻グミに含まれる化学物質が大麻の有害成分に似ていたため、大麻と同じような効果が期待できると思われたことです。大麻グミに含まれる化学物質は、「HHCH」という合成化合物で、大麻の違法成分「THC」といって、テトラヒドロカンナビノールと化学構造が似ています。HHCHにはTHCと同様に幻覚作用や記憶障害などの健康被害があると考えられますが、まだ十分に研究されていません。
大麻グミを食べた人は、高揚感や酔ったような感覚を訴えていました。
以上のように、大麻グミが流行った理由は、法的な隙間と大麻の効果の誤解によるものと言えるでしょう。
最後に、大麻グミを食べた人がどんな健康被害に遭っているのか見ていきましょう。大麻グミを食べた人が体調不良を訴える事例が全国で相次いでいます。警視庁によると、東京では10月以降、男女12人が病院に運ばれました。このうち港区新橋の飲食店では、30歳代の会社員男性がグミを4粒食べて意識がもうろうとした状態になりました。大阪府警によると、大阪でも今年に入り、グミを食べた男女十数人が病院に搬送されました。グミを食べた人は、吐き気や体の震え、頭痛、めまいなどの症状を訴えています。グミを食べた会社員男性は、「食べて1時間後に頭がクラクラと揺れるような感覚になった。食べた後、酒を一気に飲んだような状態に陥り、不快感が翌日まで続いた」と話しています。
厚生労働省は、グミに含まれるHHCHを規制薬物に指定し、12月2日以降、所持や使用を禁止されました。武見厚生労働相は「重大な保健衛生上の問題」と指摘し、HHCHを指定薬物に加えるほか、類似の化合物についても包括的な指定を検討する考えを示しました。しかし、規制強化のたびに新たな類似化合物が登場する「いたちごっこ」が続いており、対応の難しさが浮き彫りとなっています。
以上、大麻グミに関するお話しでした。大麻グミは、見た目は普通のグミですが、食べると危険な化学物質が体に入ってしまいます。口にするものほど怖いものはありません。みなさんの健康を守るために食品衛生法や薬機法などの法律がありますが、規制だけでは取り締まりが難しいのが現状です。すでにHHCPといった新たな成分が開発されており、今後も類似した脱法ドラッグが登場しつづけます。健康被害や法的な問題(3年以下の懲役や300万円以下の罰金)を避けるためにも、絶対に手を出さないでください。この記事を読んでひとりでも多くの方が正しい知識をもっていただけると幸いです。

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