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【正月用の冷凍おせちで食中毒事件発生!?】求められる食品の安全管理

こんにちは、元保健所職員で薬剤師のモトヒロです。

このブログでは食品の安全性や衛生管理に関する話題を取り上げています。

食品安全に関心のある皆さん、今回は徳島県で起きた食中毒事件についてお伝えします。




【正月用の冷凍おせちで食中毒事件発生!?】求められる食品の安全管理
【正月用の冷凍おせちで食中毒事件発生!?】求められる食品の安全管理

1.事件の概要

事件の原因となったのは、徳島市の惣菜製造業「有限会社エイブルフーズ」が製造販売した「冷凍おせち」です。この「冷凍おせち」を食べた人のうち、全国の5都県(栃木県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)の12の高齢者施設で、42歳から100歳までの職員や利用者らあわせて81人が嘔吐や下痢などの症状を訴えました 。このうち少なくとも23人からノロウイルスが検出されたことから、徳島保健所は食中毒と断定しました 。徳島県は1月12日、食品衛生法に基づき、エイブルフーズを7日間の営業停止処分としました 。


2.事件の背景

徳島県は、12月11日から12日までの2日間に製造した「冷凍おせち」480個が原因食品として断定 。販売先は、県外である栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県の23施設に販売されました 。「冷凍おせち」は、有頭海老、赤魚の塩焼、花蓮根、豚角煮、合鴨ロース、にしんの昆布巻、みどり豆、ままかり、紅かまぼこ、黒豆、きんとん、煮しめ、伊達巻、なますなど16品目からなります 。ノロウイルスは感染力が強く、体調不良者が調理に従事することで食品が汚染されることが多いです。また、家庭や職場などで人から人への感染(二次感染)も起こりやすいです。


3.事件の影響

この事件は全国的に注目される事態となりました。ヤフーニュースではトップニュースとして取り上げられました。エイブルフーズの井元健好代表取締役は、「ご迷惑をおかけして、お詫び申し上げます」とコメントしました 。徳島県では、「冷凍おせち」を食べた人で体調不良を訴えている人はいないということです 。徳島県は、ノロウイルスによる食中毒を防ぐために、流水による丁寧な手洗いと食材の十分な加熱調理(中心部85~90度で90秒以上)、次亜塩素酸ナトリウムによる消毒などの対策を呼びかけています。


4.ノロウイルスについて

ノロウイルスについては、何度か記事にさせていただいていますが(興味のあるかたは以下のリンク先より)、対策がとても大事です。食品取扱事業者の方には、とても身近な存在です。徳島県からの発表によると、調理に携わっていた従業員より食品に感染したのでは、という見解がありました。やはり、感染原因は食品からではなく、人から食品を介した感染でしょうね。

また、今回注目すべきは、営業停止期間です。たいていは3日間の営業停止が多いなか、販売数の多さや複数県に購入者がいることや施設の清掃等を踏まえての判断でしょう。

これを機に、該当施設は清掃の徹底や何より従業員の再教育の必要性があるでしょう。



5. まとめ

徳島市の会社が製造した冷凍おせちで全国で食中毒が発生しました。81人が嘔吐や下痢などの症状を訴え、23人からノロウイルスが検出されました。徳島県は、この会社を7日間の営業停止処分としました。ノロウイルスは感染力が強く、食品や人から人への感染が起こりやすいです。食中毒を防ぐためには、手洗いや加熱調理、消毒などの対策が重要です。

冷凍食品は、保存や調理が便利であり、多くの人に利用されています。しかし、冷凍食品も適切な温度管理や加熱処理が必要です。また、製造や販売の過程で汚染される可能性もあります。消費者としては、冷凍食品の賞味期限や表示内容を確認し、正しい方法で解凍や加熱を行うことが大切です。

最後に、この事件を教訓として、食品業界や行政は、食品の安全管理と衛生対策を徹底することが求められます。また、消費者も自己防衛として、食品の選択や調理に注意することが必要です。

以上、徳島県で起きた食中毒事件についてお伝えしました。

食品安全に関心のある皆さん、今後もこのブログをチェックしてくださいね。


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