同じ飲食店で3回目の 食中毒事件!!カンピロバクターを検出「白レバーの焼き鳥」などを食べた男女5人が下痢や腹痛などの症状を訴える
- モトヒロ
- 2024年2月16日
- 読了時間: 3分
こんにちは、元保健所職員で薬剤師のモトヒロです。
今日は最近発表のあった食中毒事件で、私が感じたことを記事にしてみました。
この記事を読むことで食品衛生の理解が深まります。

1.事件について
令和6年(2024年)2月9日(金)16時30分、熊本県から「2月9日(金)医療機関から、胃腸炎様症状を呈している患者1名が受診しており、2月3日(土)に5名で熊本市内の飲食店を利用し、5名全員が有症状である。」と連絡がありました。
調査の結果、当該グループは職場の同僚5名で、2月3日(土)18時頃から当該飲食店で食事をしており、5名全員2月4日(日)から2月7日(水)にかけて腹痛、下痢、発熱などの症状を訴え、そのうち3名が医療機関を受診していることが判明しました。
有症者5名の共通食に、当該飲食店での食事があり、また、有症者の検便検査結果、有症者の喫食状況や発症状況、当該飲食店での調理状況から、この飲食店の食事を原因とする食中毒と断定し、この飲食店に対して3日間の営業停止処分となりました。
熊本市によりますと、2月3日にこの店で「白レバーの焼き鳥」や「たたきキュウリ」などを食べた20代の男女5人が、翌日から下痢や腹痛などの症状を訴えました。
5人はいずれも回復しましたが、このうち少なくとも4人の検体からカンピロバクターが検出されました。
この店はおととし(2022年)の1月と6月にも同じ様にカンピロバクターが原因の食中毒を起こし、営業停止処分を受けました。

2.カンピロバクターとは
カンピロバクターは、家畜の流産、胃腸炎、肝炎等の原因菌として獣医学分野で注目されていた菌で、ニワトリ、ウシ等の家きんや家畜をはじめ、ペット、野鳥、野生動物など多くの動物が保菌しています。1970年代に下痢患者から本菌が検出され、ヒトに対する下痢原性が証明されましたが、特に1978年に米国において飲料水を介して約2,000人が感染した事例が発生し、世界的に注目されるようになりました。
症状については、下痢、腹痛、発熱、悪心、嘔気、嘔吐、頭痛、悪寒、倦怠感などであり、他の感染型細菌性食中毒と酷似します。多くの患者は1週間ほどで治癒します。死亡例や重篤例はまれですが、乳幼児・高齢者、その他抵抗力の弱い方では重症化する危険性もあり、注意が必要です。また、潜伏時間が一般に1~7日間とやや長いことが特徴です。また、カンピロバクターに感染した数週間後に、手足の麻痺や顔面神経麻痺、呼吸困難などを起こす「ギラン・バレー症候群」を発症する場合があることが指摘されています。

3.最後に
当該店舗は去年とあわせると合計3回の食中毒事件を起こしています。
看板商品は白レバーとのことですが、焼き鳥というころで加熱はしているそうです(中心部まで加熱しているかは不明)。
2次汚染が原因だったのでしょうか。今後の調査で原因が判明することを期待します。

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