清涼飲料水製造業の許可取得への道#1
- モトヒロ
- 2023年12月26日
- 読了時間: 5分
更新日:2024年1月14日
こんにちは、元保健所職員で薬剤師のモトヒロです。
このブログでは食品の安全性や衛生管理に関する話題を取り上げています。
今回は、私が取得を検討している清涼飲料水製造業についてお話しします。
許可取得への道のりも、このブログで随時更新していこうかと考えています。

1.なぜ清涼飲料水製造業?
簡潔に伝えると…
体感ですが飲食店等からのOEMの可能性があること、仕事の合間を縫って製造ができること、賞味期限を長く設定できること、あまり競合施設が県内にないこと等を踏まえ、その実証として許可を取得しようと考えています。
許可の取得後は、まず初めに酵母を使用したジュースを作ろうかと思っています。

2.清涼飲料水製造業とは
ジュース、コーヒー等の製造ができることとしていたが、た乳酸菌飲料製造業(生乳を使用しないものに限る。)を統合し、生乳を使用しない乳酸菌飲料の製造(小分けを含む。)を可能とするとともに、生乳を使用しない乳飲料も製造することができるものとしたこと。

3.基準
清涼飲料飲料水を取得する場合は、許可に関する「施設基準」、製造に関する「製造基準」「成分規格」があります。
「施設基準」・・・飲食店営業と同じ施設基準に加えて、原材料の保管及び調合並びに製品の製造(ミネラルウォーター類のみを製造する施設にあつては製造に限る。)をする室又は場所を有し、必要に応じて容器の洗浄及び製造又は組立をする設備を有すること。なお、室を場所とする場合にあつては、作業区分に応じて区画されていること。 原材料の調合及び製品の製造をする室又は場所にあつては、調合、充填、密封及び殺菌又は除菌に必要な設備を有すること。
要約すると、原材料の保管や調合する場所は、部屋もしくは専用場所を設ける必要があり、それぞれの工程に併せて(なるべく)専用の設備を設けるように基準が定められています。
「製造基準」・・・ミネラルウォーター類、冷凍果実飲料及び原料用果汁以外の清涼飲料水(今回製造予定(ジュース)の基準(水や原料用等の基準はまた別にあります))
《一般基準》製造に使用する器具及び容器包装は、適当な方法で洗浄し、かつ、殺菌したものでなければならない。ただし、未使用の容器包装であり、かつ、殺菌され、又は殺菌効果を有する製造方法で製造され、使用されるまでに汚染されるおそれのないように取り扱われたものにあつては、この限りでない。
《個別基準》
A.原料として用いる水は、水道水又は次のいずれかでなければならない。
①1清涼飲料水の成分規格の(2)個別規格の1.のAに適合するもののうち、2清涼飲料水の製造基準の(2)個別基準の1.又は2.に適合するもの。
②1清涼飲料水の成分規格の(2)個別規格の2.及び2清涼飲料水の製造基準の(2)個別基準の3.のAに適合するもの。
B.製造に使用する果実、野菜等の原料は、鮮度その他の品質が良好なものであり、かつ、必要に応じて十分洗浄したものでなければならない。
C.清涼飲料水は、容器包装に充塡し、密栓若しくは密封した後殺菌するか、又は自記温度計をつけた殺菌器等で殺菌したもの若しくはろ過器等で除菌したものを自動的に容器包装に充塡した後、密栓若しくは密封しなければならない。この場合の殺菌又は除菌は、次の方法で行わなければならない。ただし、容器包装内の二酸化炭素圧力が20℃で98kPa以上であり、かつ、植物又は動物の組織成分を含有しないものにあつては、殺菌及び除菌を要しない。
①pH4.0未満のものの殺菌にあつては、その中心部の温度を65℃で10分間加熱する方法又はこれと同等以上の効力を有する方法で行うこと。
②pH4.0以上のもの(pH4.6以上で、かつ、水分活性が0.94を超えるものを除く。)の殺菌にあつては、その中心部の温度を85℃で30分間加熱する方法又はこれと同等以上の効力を有する方法で行うこと。
③pH4.6以上で、かつ、水分活性が0.94を超えるものの殺菌にあつては、原材料等に由来して当該食品中に存在し、かつ、発育し得る微生物を死滅させるのに十分な効力を有する方法又は②に定める方法で行うこと。④除菌にあつては、原材料等に由来して当該食品中に存在し、かつ、発育し得る微生物を除去するのに十分な効力を有する方法で行うこと。
D.cの殺菌に係る殺菌温度及び殺菌時間の記録又はcの除菌に係る記録は6月間保存しなければならない。
E.清涼飲料水のうち、cに定める方法により殺菌又は除去したものに乳酸菌、酵母、発酵乳又は乳酸菌飲料を混合するものにあっては、混合以降の工程を病原微生物により汚染されない適当な方法で管理し、自動的に容器包装に充填した後、密栓若しくは密封しなければならない。
F.紙栓により打栓する場合は、打栓機械により行わなければならない。
清涼飲料水の製造基準は複雑です。
新規に作るのであれば、なるべく安全性を考慮した設計が必要です。
私のほうでは、原料には水は使用しませんが、器具の洗浄があるので水道水を使用します(水道水以外だと水道水並みの安全性の担保を製造側が保証しないといけないので・・)。また、商品設計として、濃縮タイプのジュースにすることで水分活性やpHの調整が可能となり、殺菌温度を中心温度65℃で10分加熱の条件にすることができます。
「成分規格」・・・
混濁 | 混濁したものであってはならない |
沈殿物又は固形の異物 | 沈殿物又は固形の異物のあるものであってはならない |
スズ(金属容器入りのものに限る) | 150.0 ppm以下 |
大腸菌群 | 陰性 |
ヒ素 | 検出するものであってはならない |
鉛 | 検出するものであってはならない |
製造基準を満たしていても、上記の検査項目をすべてクリアしないと商品化は難しいです。

4.これから
以上が、清涼飲料水製造業の許可取得に向けて、必要な基準等のお話をしました。
年末年始で慌ただしくなる時期ですが、少しずつ許可取得に向けて準備していこうと思います。また進捗等を報告させていただきます。それではまた!!

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