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輸入品のジンジャーブレッドに幼虫の異物が混入【入った理由を勝手に考察】輸入品の取り扱いについて考える

更新日:2024年1月14日

こんにちは、元保健所職員で薬剤師のモトヒロです。

このブログでは食品の安全性や衛生管理に関する話題を取り上げています。


今回は、阪急うめだ本店のクリスマスイベントで販売されたジンジャーブレッド(チョコレート)に幼虫が混入していたということで、「異物混入」について元保健所職員の視点から解説します。


目次



厚生労働省 食品衛生申請等システムより

1.事件の経緯

阪急百貨店の催事担当店員により、商品(在庫品)内に幼虫が混入していることを確認。

在庫品全て(57個)を開封したところ、合計5個に幼虫が混入しており、同一ロット品に同様の幼虫が混入しているおそれがあるため。


今回は購入者からではなく、催事担当者が発見されたということでした。

販売前に発覚するのが最善ですが、それでも速やかに対応されたのは流石です。

厚生労働省 食品衛生申請等システムより

実際の異物混入の写真です。

パッケージもしっかり包装されてますし、生地の一部になっているところを見ると、製造所での混入が濃厚ですね。


2.幼虫が入ったタイミング

先ほど説明したように、製造所での混入が濃厚です。

では、製造所のどのタイミングで入ったのかを考察していきましょう。(勝手に)


幼虫が死んでいた場合は、上記の写真から想定するに、一番考えられるのは、焼成前に放置していた間に混入した可能性が高そうですね(だとすると、作業場の環境がすごく気になりますが・・・)

幼虫が生きていた場合は、焼成後から包装までの間に混入した可能性が高いですね。


厚生労働省 食品衛生申請等システムより

原材料に入っている可能性もあると思いますが、食品表示を見ても特段ピンとくるものはありません。原材料の保管に問題があった可能性もあるかもしれませんが…

(個人的にはジンジャーブレッドなのにジンジャーが入ってことが一番気になっています)


3.対策

勝手な考察なので、勝手な対策案ですが、食品事業者のみなさまに該当する内容なので、よければご参考にしてください。


製造所の今後の対策としては、当たり前のことですが、異物(幼虫)が入った可能性のある工程をしっかり見直すことです。原材料の保管場所に幼虫等が入る可能性がないか焼成工程や包装工程の前後に問題がないか等、再確認する必要があります。


輸入者の今後の対策としては、まずは販売前の検品チェックですね。チェック表を使用する等して見える化し、従業員の皆さんが習慣的にできる環境を作る必要があると思います。

あと欲を言えば、製造所の視察等もありますが、輸入品になるとなかなかそれは難しいので、最低でもメーカー証明書(COC=Certificate of Conformance)を必ず製造所から発行してもらい、書面上にはなりますが安全性の確認をする必要があるかと思います。


以上が簡単で勝手な考察案でした。

今後、輸入品の取り扱いとする際の参考にしていただけると幸いです。




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