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食品表示の110番「FAMICについて」

更新日:2024年2月16日

こんにちは、元保健所職員で薬剤師のモトヒロです。

このブログでは食品の安全性や衛生管理に関する話題を取り上げています。

今年2月は食品表示の偽装問題のニュースが多い気がします(地元でもあったから尚更)。

そこで今回は、食品表示の偽装問題を解決してくれる行政法人「FAMIC」について、元保健所職員の視点から解説します。



1.FAMICとは

FAMICは、農林水産業の振興と安定に貢献するために設立された法人です。

FAMICの主な事業は、農林水産物の流通や品質管理、食料安全保障や食料教育、農林水産業の国際協力などです。FAMICでは、原産地や品種、加工食品の原材料等が正しく表示されているか等について、科学的な検査を行っています。

また、食品の遺伝子組換えに関する表示が正しいかの検査を行い、必要な場合は、分別生産流通管理(IPハンドリング)が適正に行われているかどうか、製造業者等への調査を行っています。

これらの検査の結果、不適切な表示の疑いが生じた場合は、農林水産省からの指示に基づき、製造業者等に対する立入検査等を行っています。FAMICは、日本の農林水産業の発展と国民の食生活の向上に貢献しています。




2.産地判別の原理

元素分析による原産地判別では,産地の土質や水質,培地の差異が,そこで栽培された農産物の元素組成に反映されることを利用しているため,同品種でも生育環境が異なれば産地の推定が可能となる。FAMICでは,ニンニク,タマネギ,カボチャ等の生鮮食品,また,梅農産物漬物及び乾しいたけの加工食品の(原料)原産地判別技術を単独または他機関と協力して開発している。その手順は,①農産物の分析対象部位の選定,②分析法の検討とその信頼性確認,③判別モデル構築用試料の収集,④元素濃度データの蓄積,⑤蓄積データを用いた判別モデルの構築,⑥判別モデルの検証となっており,農産物ごとに調査研究が行われている。


元素組成より原産国を特定

菌類,植物はその生育環境から養分を吸収多くの元素もその土壌等から植物体に吸収される。農産物中の元素組成はその栽培環境を反映する。農産物中の元素組成を調査することによって原産国が推定できる可能性が高い。




3.最後に

当該技術は、いくつかの要因(経年による産地の地理的移動等)により,100 %正確に産地を推定することは困難であるとFAMICも明記していますが、検討資料になることは間違いないと思います。FAMICの検査対象にならないように、日頃から誠実に食品製造する必要がありますね(自分に言い聞かせています)。




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